小学生の孫がふたりいる。ふたりとも男の子だ。上の孫は5年生だがつい最近までユーチューバーになりたいと言っていた。それが夏休みも終わりに近づいたある日、何やら思い詰めた表情で,
「おばあちゃん、僕ね、美容整形外科のお医者さんになりたいの。」
と宣わったのでびっくりして腰を抜かしそうになった。百歩譲って『お医者さんになりたい』はわからなくもないが何故に美容整形外科医なのか。
「だから、おばあちゃんが80歳になって皺とか気になるんだったら僕がタダで治してあげるから。」
それは有難い話だが、今や子供たちのあこがれの的になるほど美容整形外科医は花形職業なのだろうか。そういえばこの夏、美容整形外科医によるファンミーティングが都内でいくつか開催されると聞いてびっくりした。私の執刀医の一人も先日著名なインフルエンサーと共演して生配信をしていた。後日お会いする機会があったのでお話を伺ったところ、
「私も最初はSNS発信は気が進まなかったのですが、やらないと存在しないことと同じになってしまうんですね。患者さんに来てもらってある程度の数の手術をこなさないと、どんな名医でも腕は落ちます。形成専門医だろうが博士だろうが関係ないんですね。それと患者さん達にも注意喚起を促したくて発信しようと思いました。執刀医はシュミレーションをしたら術前に各種検査を受けていただいて患者さんの健康状態も把握しなければなりません。場合によっては手術をお断りすることもあります。ねむり姫さんもご存知のように全身麻酔で手術した方には、うちでは一泊入院してもらいます。患者さんから聞いた話ですが『鼻の手術を今日受ければ半額』とか『局所麻酔で鼻フル手術』とか、あり得ないですよね。よく考えていただきたいんです。あくまで医療ですから。」
とのことであった。私の美容整形そのものに対する私見は以前別記事で述べたことがある。よろしければ以下のリンクからお読みいただきたい。
私自身色々施術を受けて、コロナ禍からのここ3年くらい常に顔がダウンタイム中である。私はお陰様で執刀医の先生方に恵まれて今の自分の顔が若い時より好きである。自分で言うのもなんだけど笑顔が優しそうに見える。決して美人ではないが、できればこのまま愛嬌のあるおばあちゃんになって老いていきたい。孫曰く、
「おばあちゃんはいつも嬉しそうに鏡を見ているし、人を幸せにできてお金をたくさんもらえるから美容整形外科のお医者さんになりたいの!」
えっ⁈私のせい⁈ 😲 まあ、いいや。お医者様になりたいと自分で言うくらいなら暫くは一生懸命勉強するだろう。結果はどうであれ勉強することは人生の選択肢の幅が広がることだから悪いことではない。子供たちの「なりたい職業」は、そのときの世相の反映なのだから。
👑ねむり姫👑
2024.9.2